男性型脱毛症(AGA)

男性型脱毛症(AGA)

男性型脱毛症(AGA)とは成人男性特有の脱毛症で、遺伝や男性ホルモンが主に関与した進行性の脱毛症です。髪の毛の生え際や頭頂部から髪の毛が薄くなることが多いと言われています。当院では日本皮膚科学会の『男性型および女性型脱毛診療ガイドライン2017年度版』に則った脱毛治療を行っています。2024年現在で2017年度版が最新のものです。

このガイドラインによると

フィナステリド内服またはデュタステリド内服:推奨度A 行うよう強く勧める

いずれも脱毛の原因となるジヒドロテストステロンの合成を抑制する作用があり、国内外の臨床試験で有効性・安全性が確認されています。また海外の臨床試験ではデュタステリドの方がフィナステリドより効果が高かったというデータもあります。なおこの2剤の併用はお勧めされていません。

ミノキシジル外用:推奨度A 行うよう強く勧める

頭皮の血流を改善させることによって発毛を促すことが期待されます。こちらも多くの臨床試験で有効性・安全性が確認されています。なお男性型脱毛症は5%、女性男性型脱毛症では1%の濃度が推奨されていますので、異性のパートナーと共有することは推奨されません。市販の育毛剤にも配合されていますので、特別な医薬品はありません。また多くのAGAクリニックなどで販売されている高濃度のミノキシジル外用薬は有効性・安全性は検証されていません。

行うことを強く推奨されているのは以上の治療だけになります。なお参考のためにミノキシジル内服についてですが以下のような推奨度になります。

ミノキシジル内服:推奨度D 行うべきではない

多くのAGAクリニックなどで処方されていますが、実はガイドラインでは否定的な見解です。薄毛に対して発毛効果が期待されますが、重大な心血管系障害の危険があります。また日本国内では未承認であり、国産品はありません。以上から当院ではミノキシジルの外用はお勧めしますが、内服はお勧めしません。

当院のAGA/FAGA治療薬

・デュタステリド錠 0.5mg  国内産の後発品(ジェネリック)

30錠(1日1錠 30日分) 5000円 (税込み)

内服開始から1-3か月は初期脱毛が見られることがあります。これは乱れたヘアサイクルが整うまでの一時的なものであり、ここで内服を中止するのはお勧めされません。過度の心配はせずに内服を継続してください。主な副作用に勃起障害、性欲減退、乳房障害などがあります。

ミノキシジル外用薬(ローション) アメリカの製薬会社による製品で輸入品

女性用(Lipgaine🄬  60ml)ミノキシジル5%含有 12,000円(税込み)

男性用(Minoxilidil Max🄬 60ml)ミノキシジル15%含有 7,700円(税込み)

抜け毛が気になるところに塗布します。約1-2か月間の使用が見込まれます。

ミノキシジル2.5mg錠(内服薬) 100錠 7500円(税込み)

AGAに対して使用されます、FAGAには使用されません。アメリカの製薬会社が製造した輸入品です。通常1日1錠または2錠を1回または2回に分けて内服します。効果が乏しい場合、1日4錠まで増量することがあります。

主な副作用は多毛症(体幹部、顔面など)、頭痛、動悸などがあります。

AGAとは

AGA(Androgenetic Alopecia)とは男性型脱毛症のことを言います。

原因は、遺伝や生活習慣の乱れ、男性ホルモンのバランスの乱れとされています。

主に、男性ホルモンの影響が大きく、男性ホルモン「テストステロン」と5aリクターゼ(還元酵素)が結合してできた「DHT(ジヒドロテストステロン)」という悪玉男性ホルモンが大いに影響しているとされています。

ヘアサイクルが乱れ、毛の成長期が短くなり、毛が太く成長することなく生え際、頭頂部の毛髪が薄くなってくることが特徴です。

日本人の男性の場合には、20代後半から30代にかけて顕著に症状が現れ、徐々に進行していきます。

現在では日本人男性の発症頻度は約30%とされており、年齢とともに上がっていきます。

この体質は遺伝するといわれているため、なるべく早期での治療をお勧めします。

AGAのタイプ

AGAは、実際に薄毛になった人の症例を集め、よくあるパターンを抽出して作成した「ハミルトン・ノーウッド分類」という分類法によって9つのタイプに分けられます。

AGAの治療

AGAの薬には、「症状の進行を抑える内服薬」と「発毛を促す外用薬」があります。

どちらも自由診療になります。内服薬と外用薬の2種類を同時に使用することで、より効果が上がるとされています。

当クリニックではオンライン診療後、お薬の郵送が可能となりますので、来院しずらいという方もお気軽にご利用いただけます。

また直接お話しにくいという方はメタバースによる診療も可能です。

デュタステリド治療薬とミノキシジル治療薬

デュタステリドはAGAの原因となるDHTの生成を促す「5αリダクターゼ」の働きを抑制する効果を持ち、薄毛の進行を抑える「守り」の治療薬です。

ミノキシジルは、髪の毛を生成する元となる毛母細胞に働きかけ、ヘアサイクルを延長し発毛そのものを促す「攻め」の治療薬です。

2つの治療薬は効果が異なるため併用することが可能です。

デュタステリド治療薬

抜け毛に関係する男性ホルモンをジヒドロテストステロンに変える5αリダクターゼの1型2型の両方を阻害することで抜け毛を抑えます。

内容価格
デュタステリド内服薬1ヶ月5,000円

デュタステリドの副作用

フィナステリドと同様に性欲減退や勃起機能障害(ED)などの男性機能低下、肝機能障害が挙げられます。

また気力の低下やうつ症状、蕁麻疹などがあります。

肝機能障害は頻度が低いですが、定期的な当院での採血をおすすめします。

気になる症状がありましたらお気軽に医師にご相談ください。

ミノキシジル治療薬

ミノキシジルは内服薬と外用薬のご用意があります。
外用薬は医師でしか処方できないミノキシジル15%配合したローションを提供します。

内容価格
ミノキシジル内服薬1ヶ月7,500円
ミノキシジル15%配合外用薬一本9,900円

ミノキシジルの副作用

  • 初期脱毛
  • 皮膚炎

その他の治療

5α還元酵素を抑制する亜鉛を中心とした食生活や適度な運動も効果的といわれています。

また、すべてのタイプに共通して効果があるものとして挙げられるのが睡眠です。

特に眠り始めからの3時間は成長ホルモンが活発化する時間帯で、この時間に深く良い睡眠を確保することで、毛髪の成長が期待できます。

具体的には、眠りにつく1時間ほどまえに部屋を暗くすることで、深い眠りを呼ぶ「メラトニン」の分泌を促すようにしましょう。

メラトニンは起床後、14~16時間で分泌量が増えるので、朝はしっかり起きて良いリズムを作ることも大切です。

生活習慣の改善はAGAの改善にもつながることですから、毎日意識して過ごすようにしてください。

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